【ほっこり】日本昔ばなし[現代ばなし編#9](火男)




【昔話あらすじ】

昔、ある所に、働き者のお爺さんと強欲で怠け者のお婆さんが住んでいました。
ある日、いつものようにお爺さんが山で柴を刈っていると、ほら穴から「柴よこせー、柴よこせー」と声が聞こえてきました。お爺さんが穴に近づくと、持っていた柴がスッと吸い込まれていきました。穴から「もっとよこせ」と声が聞こえるので、人の良いお爺さんは言われるがまま沢山の柴を運びました。そのうち、お爺さんまで穴に吸い込まれました。
穴の中の世界は真っ赤な火の世界で、火の神様から「柴のお礼に」と宝物の入った包みをくれました。家に帰って包みを開けてみると、おかしな顔をした変な男の子が入っていました。お婆さんはプンプン怒りましたが、お爺さんは「火男」と名付けて大切に育てました。
この男の子は、口も聞かずヘソばっかりイジっていたので、とうとうヘソが腫れ上がってしまいました。可哀そうにと思ったお爺さんがキセルでポンと叩いてみると、なんとヘソから一枚の小判がでてきました。小判が出るたびに少しだけヘソは小さくなるので、お爺さんは毎日3回だけヘソを叩きました。
欲張りのお婆さんはお爺さんが不在な時を見計らい、ヘソから千両箱が出そうと巨大キセルで火男を追いかけまわしました。かまどに追い詰められた火男は、火になって火の神様のところへ帰っていきました。それを知って悲しんだお爺さんは、火男のお面を彫ってかまど近くの柱にかけました。
今も、かまどの近くに火男のお面をかけるしきたりはこの地方に残っています。やがては「ひょっとこ」と言い変わって、お祭りなどでも使われるひょっとこの面になったそうです。


【現代話あらすじ】タイトル:ヘソ男とカリスマおじいちゃん

昔々、ある街に、働き者のおじいちゃんと、強欲で怠け者のおばあちゃんが住んでいました。おじいちゃんは毎日、近所の公園で草むしりをしていたけど、おばあちゃんは「もっと楽してお金を稼ぎたい!」と、ネットで副業を探してばかり。

ある日、おじいちゃんが公園で草をむしっていると、近くの木の根元から「草よこせー、草よこせー」と声が聞こえてきました。おじいちゃんが近づくと、持っていた草がスーッと吸い込まれていく。木の中から「もっとよこせ!」と声がするので、おじいちゃんは「まあ、いいか」と言われるがままに草を運び続けました。気がつくと、おじいちゃんまで木の中に吸い込まれてしまった!

木の中は真っ赤な炎の世界で、炎の神様が「草のお礼に」と、宝物の入ったパッケージをくれました。家に帰ってそのパッケージを開けると、なんと中からおかしな顔をした男の子が出てきた!おばあちゃんは「何これ、変な子!」とプンプン怒ったけど、おじいちゃんは「ヘソ男」と名付けて大切に育てることに。

ヘソ男は口を聞かず、いつもヘソばかりいじっていたので、とうとうヘソが腫れ上がってしまった。おじいちゃん痛そうだなと思って、スマホで「ヘソ男 腫れ 治し方」と検索してみると、なんと「ヘソを叩くと小判が出る」と書いてあった!おじいちゃんは「これだ!」と、毎日3回だけヘソを叩くことに。

しかし、欲張りなおばあちゃんは、おじいちゃんが出かけている隙を狙って、ヘソから千両箱が出ると思い込み、巨大なキセルを持ってヘソ男を追いかけ回しました。「お金持ちになれるかも!」と夢見ながら、ヘソ男を捕まえようと必死。ヘソ男は「もう無理!」と叫び、炎になって「炎の神様、助けて!」と叫びながら、火の中へ帰っていった。

おじいちゃんが帰ってきたときには、ヘソ男はもういなかった。悲しんだおじいちゃんは、ヘソ男の代わりに「ヘソ男クッション」を作ることにしました。ふわふわのクッションにヘソ男の顔を描いて、家のソファに置くことにした。「これでヘソ男のことを忘れないぞ」と思いながら。


その後、おばあちゃんは「ヘソ男がいなくなったら、私の副業も終わりだ!」と焦り、SNSで「ヘソ男を探しています!」と投稿。すると、フォロワーたちが「ヘソ男の伝説を作ろう!」と盛り上がり、街中で「ヘソ男クッション祭り」を開催することに。おじいちゃんは「え、そんなことになるの?」と驚きつつも、ヘソ男クッションを抱えて参加。

今では、ヘソ男の伝説はSNSで広まり、地域のお祭りでも「ヘソ男クッションダンス」が流行。おじいちゃんは「ヘソ男のおかげで、みんなが笑顔になれる祭りができた」と、今でもそのクッションを大切にしているという。

こうして、ヘソ男の伝説は現代に受け継がれ、みんなに愛される存在になったのだった。おじいちゃんとおばあちゃんの物語は、今もなお語り継がれている。