【画像】歴代の幕内外国人力士を番付順に紹介する[翔天狼(東前頭2枚目)]< 15 >


翔天狼はモンゴル出身の相撲力士で、ウランバートル市内で猛虎浪と同じ団地に住んでいたが、当時は面識がなかった。彼は母国のスポーツ祭典「ナーダム」でジュニア優勝を果たし、廻しを締めた経験がないまま挑んだ世界相撲選手権大会で無差別級3位という成績を収めた。これをきっかけに、2001年に武蔵川部屋に入門し、初土俵を踏む。同期には横綱白鵬がいる。

順調に出世していたが、2003年に左膝前十字靭帯を断裂する怪我を負い、その影響で2004年の7月場所では麻疹が流行し、7戦全敗で三段目に陥落。長い間、幕下中位から上位に低迷した。初の幕下上位の場所で大敗した後、四股名を武蔵龍から翔天狼に改名。2008年9月場所で幕下筆頭として4勝3敗を記録し、十両昇進を果たす。初土俵から46場所での昇進は外国出身力士では当時3番目のスロー昇進だった。

新十両で迎えた2008年11月場所では、初日から9連勝を達成し、12勝3敗で初の十両優勝を勝ち取る。2009年1月場所でも11勝4敗で再び十両優勝を果たし、優勝決定戦では同じモンゴル出身の白馬を破った。3月場所で入幕し、所要48場所での新入幕は外国出身力士では当時3番目のスロー記録だった。しかし、3月場所では豊真将戦で反則負けし、7勝8敗の負け越しとなった。

2009年7月場所では東前頭10枚目で迎え、初日から好調で14日目には10勝4敗。勝てば敢闘賞受賞の一番で黒海を下し、11勝4敗で敢闘賞を受賞。9月場所では東前頭2枚目で初日から5連敗したが、6日目に横綱白鵬と初対戦し引き落としで勝利を挙げ、初金星を手にした。この金星は高く評価され、年末には「2009年日本プロスポーツ大賞新人賞」を受賞した。