ロイ・ホワイトは、白人の父と黒人の母の間に生まれ、9歳の時に両親が離婚し、母親の元で育ちました。1962年にニューヨーク・ヤンキースと契約し、1966年にメジャー昇格。その後、ヤンキース一筋で15年間プレーし、1970年代の低迷期から1970年代後半の3連覇まで主力選手として活躍しました。

1980年に読売ジャイアンツに入団し、勝負強いバッティングでクリーンアップを任されました。1980年シーズンでは打率.285、28本塁打、75打点を記録し、1981年の日本シリーズでは逆転本塁打を放つなど、チームの窮地を救いました。1982年には打率.296を記録し、同年限りで引退しました。

引退後はヤンキースのコーチやGM補佐、スカウトとして活動し、1988年からは読売新聞の特別通信員として日米の野球比較に関する記事を執筆しました。また、ニュージャージ州に画廊を開き、1991年には少年向けの野球教室を設立しました。さらに、オークランド・アスレチックス傘下のマイナーリーグでコーチを務め、2004年から2005年には再度ヤンキースのコーチを務めました。

選手としては肩の弱さが課題でしたが、打球の落下地点を見極める才能を活かし、外野フライを捕球する技術に優れていました。NPBでのプレー中は気品ある振る舞いで知られ、紳士的な外国人選手と評されました。俳優としても活動し、映画『レベル』ではシルヴェスター・スタローンと共演しました。ホワイトは、与えられたチャンスに全力を尽くす姿勢を持ち続け、NPBの選手たちにとっての手本となりました。